キャンプ用の刃物は、ふるさと納税と相性がとても良いジャンルです。刃物の産地を抱える自治体が返礼品として出しているため、市販では手が出しにくい鍛冶職人の一本を、寄付額2万〜5万円台で選べます。
ただし刃物は「切れれば何でもいい」わけではなく、用途と構造が合っていないと危険です。この記事では、選ぶときに見るべき点と、持ち運ぶときの注意を整理します。
用途を先に決める
キャンプで刃物を使う場面は、大きく3つに分かれます。
- 薪を割る(バトニング): 刃の背をたたいて薪を割る使い方。太い薪には鉈や斧
- 細かい作業: フェザースティック作り、ロープを切る、パッケージを開ける
- 調理: 食材を切る。衛生面から薪割り用とは分けるのが基本
1本ですべてをこなそうとすると中途半端になります。まず「薪割り用」と「調理・細工用」を分けて考えるのが、道具選びの近道です。
ナイフを選ぶときに見るところ
- フルタング構造か: 刃の金属がグリップの端まで通っている構造。たたく力がかかるバトニングでは、これが折れにくさに直結する
- 刃の厚み: 3mm以上あると薪割りに耐える。薄い刃は調理や細工向き
- 鋼材: ステンレス系は錆びにくく手入れが楽。鋼(白紙・青紙など)は切れ味が長持ちするが、使用後に水気を拭き取り油を塗る手入れが要る
- シース(鞘): 革製かカイデックスか。持ち運びの安全に直結するので、付属するかを確認する
鉈と斧の使い分け
太い薪を割るなら、ナイフより鉈や斧のほうが安全で速く済みます。
- 鉈(なた): 片手で扱える重さで、枝払いから薪割りまでこなす。両刃は薪割り、片刃は削る作業に向く
- 薪割り斧: 重さで割るため、太い丸太に強い。300g前後の小斧はキャンプでの取り回しが良く、1kgを超える大斧は自宅の薪ストーブ向き
返礼品では、新潟県の燕三条、高知県の土佐打刃物といった産地のものが目立ちます。同じ「鉈」でも産地ごとに形が違うので、刃渡りと重量を必ず確認してください。キャンプ場で使うなら、刃渡り10〜15cm・重量500g前後が扱いやすい範囲です。
持ち運びのときに気をつけること
刃物は、キャンプ場までの移動中の扱いに注意が必要です。銃刀法では、刃体の長さが6cmを超える刃物を正当な理由なく携帯することが禁じられています。刃体6cm以下でも、隠して持ち歩けば軽犯罪法の対象になり得ます。
キャンプへ行く道中は「正当な理由」にあたると考えられますが、用が済んだあとも車に積みっぱなしにするのは避けてください。帰宅したら家に持ち込んで保管する、移動中はシースに納めたうえで箱や袋に入れて荷室へ、という扱いが基本です。判断に迷う場合は、警察庁や各都道府県警のサイトに解説があるので目を通しておくと安心です。
なお、キャンプ場によっては刃物の使用にルールがあります。焚き火と同じく、施設の決まりを事前に確認しましょう。
手入れは「拭く」だけでも変わる
使ったあとに水気を拭き取るだけで、寿命はかなり変わります。鋼の刃物は、拭いたあとに椿油やミネラルオイルを薄く塗っておくと錆びにくくなります。革のシースは濡れたまま刃を納めると錆の原因になるので、乾かしてからしまってください。
切れ味が落ちてきたら砥石の出番ですが、鍛冶職人が仕上げた刃は研ぎ直しを受け付けている工房もあります。返礼品の説明にアフターサービスの記載があるか、見ておくと長く使えます。
まとめ
- 「薪割り用」と「調理・細工用」を分けて考える
- バトニングをするならフルタング・刃厚3mm以上
- 太い薪は鉈や小斧のほうが安全。キャンプ用は刃渡り10〜15cmが扱いやすい
- 移動中の携帯には法律上のルールがある。使い終わったら車に置きっぱなしにしない